平成20年度 税制改正に関する提言 個別事項
財団法人全国法人会総連合
法令関係
法人税関係
  (無形減価償却資産)
1 電算機のソフトウェアは無形減価償却資産として5年償却となっているが、技術革新の
 加速化を考慮し、期間を3年に短縮すること。
  (少額減価償却資産)
2 少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例について、損金算入額の上限(合計300
 万円)を撤廃し、制度を恒久化すること。
  (中小企業に対する税制措置)
3 中小企業の体力強化のため、中小企業投資促進税制や中小企業技術基盤強化税制につい
 て、対象・範囲の拡大など内容の拡充を図るとともに適用期限を延長すること。
  (引当金)
4 退職給与引当金は、将来確実に発生する債務を引き当てるものであることから、退職給
 与引当金の繰入について、損金算入を認めること。
   (災害見舞金への課税免除)
5 激甚災害法の指定を受けた地域内にある取引先に対する災害見舞金等は損金算入を認め
 るこ
と。
  (法人税の延納)
6 不況時等における資金繰りに考慮し、昭和59年に財源対策等から廃止された法人税の
 延納制度を復活すること。なお、その際あわせて利子税率を軽減すること。
  (申告書の提出期限)
7 会社法上の諸手続きを含めた決算事務を2か月以内に完了することが困難であるため、
 法人税の確定申告書の提出期限を事業年度終了後3か月以内(現行2か月以内)とするこ
 と。
所得税関係
  (上場株式に係る譲渡所得等の軽減税率)
1 譲渡所得税の軽減税率の特例については、経済活性化の観点から適用期限をさらに延長
 すること。
   (土地・建物等の損益通算)
2 土地・建物等の譲渡により生じた譲渡損失の損益通算および繰越控除を認めること。
  (不動産所得の負債利子の損益通算)
3 土地等に係る負債利子については、不動産所得の計算上生じた損失がある場合に、他の
 所得との損益通算が認められないこととなっているが、この取扱いはバブル期の措置とし
 て設けられたものであり、また所得の計算上、本来認められるべきものであることから損
 益通算を復活すること。
  (医療費控除)
4 医療費控除については、最近の医療費の実態に即して、最高限度額を300万円
  (現行200万円)に引き上げること。
  (源泉納付)
5 源泉所得税の1月の納付期限については、年末調整事務や年末年始の休暇等の特殊事情
 、および週休二日制の普及を考慮し、「納期限の特殊」適用者以外の源泉徴収義務者に対
 しても1月20日(現行1月10日)とすること。
  (財産債務明細書)
6 財産債務明細書の提出を要する所得基準2,000万円は、昭和47年度改正以降相当
 期間を経過しているので、4,000万円に引き上げること。
相続税関係
  (保険金・死亡退職金の非課税限度額)
1 保険金・死亡退職金の非課税限度額については、昭和63年度の改正で法定相続人一人
 あたり500万円とされたが、相続税の納税資金を確保するとともに事業承継に資するた
 め、1,000万円に引き上げること。
  (相続財産からの控除)
2 相続開始後に発生する相続に伴う費用(遺言執行費用、税理士・弁護士報酬等)は、相続
 税の課税財産から控除すること。
  (被相続人の保証債務の弁済)
3 相続後の一定期間内に保証債務の履行があり、その求償権の行使が不能の場合、更正の
 請求ができるようにすること。
  (贈与税の配偶者控除)
4 贈与税における居住用不動産の配偶者控除額2,000万円は、昭和63年以来据え置
 かれているので、3,000万円に引き上げること。
間接税関係
  (消費税の確定申告書の提出期限)
1 消費税の確定申告書の提出期限は、前述の法人税の確定申告書の提出期限に合わせ、課
 税期間終了後3か月以内(現行2か月以内)とすること。なお、上記改正が行われるまでの
 間においても、法人税の申告期限の延長特例を受けている法人については、消費税につい
 ても申告期限の延長を認めること。
  (消費税の届出書の提出期限)
2 消費税の各種届出書の届出内容は、消費税の申告・納付上、納税者にとって重要な事項
 であるが、現行の提出期限(課税期間の開始日の前日)までに、その判断を適切に行うこと
 は困難な場合も多いので、消費税の前年度の確定申告書の提出期限まで延長すること。
  (印紙税)
3 印紙税については、消費税の充実並びに手形決済の省略など取引慣行の変化に伴い。基
 本的には廃止すべきである。当面、次の事項を中心に改正を行うこと。

 @ 約束手形または為替手形の非課税物件は、手形金額が30万円未満(現行10万円未満
  )の手形とすること。

 A 売上代金に係る金銭または有価証券にかかる受取書の非課税物件は、記載金額10万
  円未満(現行3万円未満)の受取書とすること。

  B 配当金領収書または配当金振込通知書の非課税物件は、記載された配当金額が3万円
  未満(現行3,000円未満)の証書または文書とすること。
地方税関係
  (法人事業税)
1 法人事業税について次のとおり改正すること。
 ? 資本金1,000万円以上で3都道府県以上に事業所を有する法人の法人事業税につい
  ては、所得金額別の標準税率が適用されず一律に9.6%の税率となっているが、この制
  度を廃止すること。

 ? 二以上の地方自治体に事務所または事業所を有する法人の法人事業税・住民税の申告納
  税は、本店所在地において一括して行うことができるようにすること。
  (個人住民税)
2 納入先市区町村が複数ある場合の個人住民税の特別徴収については、特別徴収義務者の
 事務の簡素化等に資するため、納入先市区町村別の明細書を添付することにより、当該事
 業所を所轄する市区町村において、一括納入ができるようにすること。また、併せて地方
 税の申告書・納付書の規格、様式の統一を図ること。
  (寄附金の税額控除制度の創設)
3 地方自治体に対する寄附金について、個人住民税から税額控除ができるようにするなど
 寄附金税制の拡充を図ること。
  (欠損金繰り戻し還付制度・延納制度)
4 住民税・事業税についても、法人税と同様に欠損金繰り戻し還付制度を創設すること。
 また、地方税にも延納制度を設けること。
  (償却資産)
5 固定資産税のうち、償却資産の評価にあたっては、納税者の事務負担軽減の観点から、
 法人税の減価償却資産と連動させ、賦課期日を各法人の事業年度末とすること
その他
  (更正請求)
1 更正請求をすることができる期間を1年以内から3年以内とすること。
  (納税方法の簡素化)
2 安全・確実・便利な納税の観点から、法人税、消費税について振替納税制度を認めるこ
 と。
  (手続等の簡素化および法定限度額の見直し)
3 国税・地方税を通じ、納税者に対して要求している諸手続き面での申請・届出について
 、簡素化できるものは極力簡素化すること。また、各種の租税法令に定められている法定
 限度額等について、制定時から10年以上据え置かれているものは、前記個別事項以外に
 ついても制度創設時の目的と現状に照らし、妥当でないものが多数見うけられるので、す
 べての項目を洗い直し、限度額等の全面改定を実施すること。
  (見直す事項の例示)
 @ 法人税における寄附金の損金算入限度額計算、中間申告の申告不要限度額等
 A 所得税法における一時所得の特別控除額、給与所得者の確定申告不要限度額、所得・
  税額計算上の各種金額基準、各種源泉課税上の限度区分額、予定納税基準額等

  B 地方税法における各種基礎控除・免税点等
通達関係
法人税関係
  (修繕費)
1 資本的支出と修繕費の区分が不明確である場合の形式的区分基準について、修繕費とし
 ての認定の範囲を次のとおり改めること。

 @ 修理・改良等に要した金額が100万円(現行60万円)に満たない場合
 A 修理・改良等に要した金額が取得価額のおおむね20%(現行10%)相当額以下であ
  る場合
  (交際費)
2 社会慣習上その支出を避けがたい慶弔費で、常識上相当と認められる金額(1件当たり1万
 円程度)については、交際費課税の対象から除外すること。
  (借地権)
3 相当の地代の認定基準概ね6%程度については、地代の収益状況および金利水準の変化
 に応じて見直しを行い、当面3%程度に引き下げること。
相続税関係
 (取引相場のない株式の評価)
 ? 類似業種比準方式の斟酌率を、中会社および大会社についても50%に引き下げるこ
  と。

 ? 純資産価額方式による評価にあたっては、従業員退職金の期末要支給額の全額を負債
  として取り扱うこと。